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2011.10.21 ファイヤー!
俺は焦っていた。
まさか弟子に先を越されるとは。

「小さいバスならあまりスレてないから、ミノーでも釣れるぞ」
このアドバイスが失敗だった。
素直なマスオゲはすぐにミノーにチェンジし、あっさりとバスを釣りあげた。
しかも3連チャン。1匹はばらしたものの、2匹は完全にゲットだ。
マスオゲは、自らの左眉毛を救った。

CIMG0915.jpg
[自慢げにバスを見せつけるマスオゲ]


今回のBB対決のルールは、「片眉デスマッチ」。
1匹も釣れなかった者は、容赦なく左眉毛が落される。
弟子のくせに容赦のないマスオゲは、バッグに安全剃刀をしのばせていた。
もちろん自分用にではない。俺の左眉毛を狙っての行為だ。

畜生、全然釣れる気がしねぇー。
俺は考えた。
どうにかマスオゲの気を別な方向に持っていかねば…。

「コンチの野郎、電話に出ねえぜ」
「やばいと思って、聞こえないふりしてんじゃないすか?」
「あいつ、眉毛剃られると思って、ビビってるな…」
ビビっていたのは俺の方だった。
コンチを連れ出して、マスオゲの気をコンチに振り向ける作戦は失敗に終わった。

もう釣るしかない。
俺は覚悟を決めた。
「あれ? 師匠もミノーですか?」
「あっ、あー。今日の感じだとワームよりミノーの方がいいかな…」
マスオゲの野郎、こんなときばかりやけに気が付きやがる。
俺が師匠としてのプライドを捨て、なりふり構わずバスを釣ろうとしているのがバレたようだ。

「やっぱりワームに変えよう」
自然な感じでルアーをチェンジした。
しかし、マスオゲの野郎はニヤニヤとこっちを見てる…。


「そのまままっすぐ漕いで、池の真中に止めろ」
マスオゲに指示を出し、昨年釣りあげたポイントにワームをキャストした。

ツンツン…、ツンツン…、ツンツン…、   スーーーーー、

「よっしゃーーーーーーッ!」

ようやく来た。
もちろん、マスオゲの釣ったおもちゃみたいなバスより、確実にデカイ。
しばしやり取りを楽しんだ後、ゆっくりと、しかも慎重に取り込んだ。
サイズは30センチ、俺にしてみれば“ちびバス”だが、今日はこれがたぶん限界だろう。

CIMG0917.jpg
[ようやく釣りあげたブラックバス]

いずれにしろ、師匠のメンツと左眉毛を守ることができた。
今回だけは正直、焦った。
手汗が止まらなかった。

それにしてもコンチの野郎、師匠の電話を無視するとは…。
後で丸坊主にしてやるからな。
コンチ2
[コンチの坊主完成予想写真]



「飯でも食べていこう。今日は俺がおごるよ」
「○ン○ンピン」というラーメン屋に入った。
ここのウリは辛い「坦々麺」。
おれは普通のラーメンを頼んだが、マスオゲは「おすすめ」というだけで坦々麺を頼んでいた。
ようやく生き返った心地がした。



翌日、マスオゲからメールが送られてきた。
「○ン○ンピンドラドラで、○ツの穴が熱い!」
馬鹿な奴だ。
胃腸が弱いくせに、いつも刺激の強いものばかりほしがるからそうなるんだ。

まあー、でも、今回ばかりは俺もわかるぜ。
一度は“尻に火がついた”だけに…。


北日本密漁狂会
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